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「秋の七草」のこと

1月7日に「七草がゆ」にして食べる「春の七草」は知っていても、
「秋の七草」を知っているという人は意外と少ないかもしれません。


■秋の七草とは?
萩(ハギ)、尾花(オバナ=ススキ)、葛(クズ)、撫子(ナデシコ)、女郎花(オミナエシ)、藤袴(フジバカマ)、桔梗(キキョウ)。これら7つの花を指します。
万葉集にある山上憶良(やまのうえのおくら)の2首の和歌に登場する草花が「秋の七草」として知られるようになったといわれています。

「秋の野に 咲きたる花を 指(および)折り かき数(かぞ)ふれば 七種(ななくさ)の花」
「萩の花 尾花(おばな)葛花(くずばな) なでしこの花 女郎花(おみなえし)また藤袴 朝貌(あさがお)の花」

あさがお、とありますが、夏に咲く朝顔(西洋アサガオ)ではなく、渡来した時期や開花する時期から、桔梗(キキョウ)を指していると考えられています。


■秋の七草の楽しみ方は?
七草がゆに入れて食する春の七草と違い、秋の七草は草花の姿を目で見て、その美しさを楽しむのが「秋の七草」です。


それでは、それぞれの草花についてご紹介しましょう。


■萩(ハギ)
漢字では草冠に秋と書く、まさに「秋の草」である「萩」。
萩はマメ科の植物で落葉低木です。枝垂れるように枝を伸ばして1㎝くらいの赤紫色の花をたくさん咲かせます。白色の花が咲く種類もあります。


■尾花(オバナ)=薄(ススキ)
「薄(ススキ)」のほうが呼び名としては馴染みがあるかもしれません。
花穂が獣の尾に似ていることから「尾花」とも呼ばれている、イネ科の多年草です。草丈は1〜2mになります。
秋の十五夜のお月見に飾るものとしても身近な草花ですね。


■葛(クズ)
根からとれるデンプンは葛餅や葛切りの原材料となる葛粉になります。また、葛根湯など生薬の原料としても使われてきました。
赤紫色で甘い香りがする小さな花を円筒状に咲かせます。


■撫子(ナデシコ)
ナデシコとは総称で、秋の七草では日本固有種の「カワラナデシコ」を指します。花びらのふちに細かい切れ込みがあり、繊細な美しさを感じさせる花です。名前の由来は「我が子を撫でるようにかわいい花」であるからといわれています。


■女郎花(オミナエシ)
日当たりの良い草地に群生する多年草。茎の上の方が枝分かれしてその先に小さな黄色い花が集まって房状に咲きます。
「女性を圧倒するほど美しい花」という意味でこの名前になったのだそう。


■藤袴(フジバカマ)
日当たりのよいやや湿った河原の堤防や、草地でよく見られたそうですが、現在では数が減り、準絶滅危惧種として登録されています。
花の色が藤色で、花が袴のような形をしていることからこの名がついたと言われています。茎の先端部分に小さなピンクのつぼみが密集するようについていて、開花すると白い花になります。


■桔梗(キキョウ)
風船のようなつぼみがはじけると、星形の美しい花が開花します。その素朴な美しさが武士に好まれ、家紋に使われることも多かったようです。
花の色は、青みがかった紫色(そのまま「桔梗色」と名前がついています)が代表的ですが、ピンクや白もあります。


現在では野生で咲く姿を見るのは難しい種もありますが、夏の暑さがおさまりはじめたら、秋の七草をはじめとした野の花々を愛でながら歩いてみませんか。

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