花火大会のかけ声「たまや~」「かぎや~」の謎
夏の風物詩のひとつ、花火。
とくに、迫力のある打ち上げ花火が共演する花火大会は夏の思い出に残りますよね。
夜空に花火がぱっと開くと湧き上がる歓声や拍手に混ざって「たまや〜」というかけ声がかかります。
「かぎや~」というかけ声も聞かれますが、多く聴こえるのは「たまや〜」ですね。
「たまや〜」と「かぎや〜」の違いは?
そもそも、「たまや〜」「かぎや〜」ってなに?
そんな疑問を一緒に解決していきましょう!
花火大会は「川開き」から始まった
江戸時代の享保18(1733)年5月28日、両国で大花火の第一号が打ち上げられました。
それは「隅田川の川開き」にちなんだもので、隅田川花火大会の原型です。
隅田川での打ち上げで活躍したのが「鍵屋」でした。
そこに、文化5年(1808年)に鍵屋から暖簾分けした「玉屋」も加わります。
川の上流を「玉屋(たまや)」、下流を「鍵屋」が担当し、二大花火師の競演となりました 。
これを応援するための掛け声が「たまや~」「かぎや~」だったのです。
一代で消えた「玉屋」
残念なことに、玉屋は1843年、失火事故により江戸から追放され、一代限りで断絶してしまいました。
しかし、花火の掛け声としては、たった35年間しか存在していなかった「玉屋」のほうが馴染みがあるように思います。
その理由として、花火の技術が勝っていたということ、語呂が良いので掛け声を掛けやすかったということ。
それから、実力があったのに儚く消えた玉屋へ思いを馳せて「たまや〜」と声をかけ続けていたということ。これが「江戸っ子気質」というものでしょうか。
現代にも存続している「鍵屋」
一方の「鍵屋」はさまざまな花火を開発して日本の花火界をリードし、現在も活躍中です。
鍵屋の花火を見る機会があれば、ぜひ 「かぎや〜」と掛け声を、心の中だけでも。
花火を見上げて「たまや」「かぎや」と声をかけることはむずかしい状況かもしれませんが、
夏の夜空にぱっと開いては儚く消える花火の風情を味わいたいですね。
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