
重曹を使って「ナチュラルクリーニング」

合成洗剤を使わず、自然素材を使ってお掃除をする「ナチュラルクリーニング」。
環境や人に優しいイメージもあり、ナチュラルクリーニングを実践したいという方もいらっしゃると思います。
また、実際にやってみたけれど続けられなかった……という方もいらっしゃるかもしれませんね。
ナチュラルクリーニングは、汚れに合わせて使い分けなければ効果が発揮できないません。
というと、難しく思えますが、仕組みが分かれば意外に簡単なのです。
今回は、ナチュラルクリーニングの基本と、重曹の使い方をご紹介します。
■ ナチュラルクリーニングとは
ナチュラルクリーニングとは、化学薬品を含んだ洗剤でなく、自然界に存在する素材を使った掃除のことです。
環境負荷が少なく、家の中のいろいろな場所で使える、実に魅力的なお掃除方法です。
自然の素材を使っているので、念入りなすすぎが必要なく、お掃除の時短も期待できますよ。
■ ナチュラルクリーニングの基本
家の中の汚れは、「アルカリ性」「中性」「酸性」に分類できます。
「アルカリ性」の汚れには「酸性」のクエン酸を、
「酸性」の汚れには「アルカリ性」の重曹などを使い、中和させて汚れを落とします。
油汚れの場合は、界面活性剤である石けんで油を分解して汚れを落とせます。
中性のカビや雑菌に使用できるアルコールは、油を溶かす作用があるのでしつこい油汚れも落とすことができます。
【 そろえると安心、5つのアイテム 】
1:重曹
弱アルカリ性のアイテム「重曹」は、家じゅうの酸性汚れに使える基本の洗剤です。
重曹は水に混ぜて重曹水を作ってクロスで汚れを拭き取ったり、
研磨効果があるので、粉のままクレンザー代わりにする方法もあります。
2:クエン酸
クエン酸は、柑橘類や酢などに含まれる酸味成分で、弱酸性です。
水アカや石けんカスなどのアルカリ性の汚れに使います。
トイレの黄ばみ・臭いの原因であるアンモニアは、アルカリ性の汚れなのでクエン酸が効果的です。
3:石けん
石けんは弱アルカリ性なので、酸性の汚れに使います。
界面活性作用で油を分解し汚れを落とします。
4:過炭酸ナトリウム
過炭酸ナトリウムは自然由来の漂白剤で、「酸素系漂白剤」とも表示されています。
重曹よりもアルカリ性が高く、酸性の汚れに使います。
水に溶かすと酸素の泡が発生し、頑固な汚れや手の届かない汚れもしっかり落とせます。
食器やふきん、調理具の漂白に使ったり、排水口や洗濯槽の掃除にも使えます。
5:アルコール
油を溶かす作用があるため、油汚れをササっと掃除できます。
揮発性が高いため、かびの生えやすい場所や、家電まわりなど水を使えない場所の掃除に向いています。
除菌効果の高いので、かびや雑菌の掃除に使います。
【 ナチュラルクリーニングの代表アイテム「重曹」の使い方 】
1:重曹水
汚れが気になる部分に濃度1%の重曹水を吹きかけて、クロスなどで拭くだけ。二度ぶきは必要ありません。
40度前後のお湯1カップ(200ml)に対して、小さじ1/2程度の重曹の粉を用意し、
スプレーボトルに入れて、フタをして溶けるまでふり混ぜたら完成です。
コンロ周りやお風呂など、日常的な汚れをサッと落としたいときにおすすめです。
2:粉のまま
粉のままの重曹は、茶渋の付いた湯飲みや焦げ付いた鍋などに振りかけて、スポンジでこすり洗いして使います。
また、生ゴミの上に振りかけたり、容器に入れた重曹を下駄箱内に入れたりと消臭剤としても使えます。
3:重曹ペースト
壁面の汚れや、重曹を吸着させてから掃除をしたいときには、重曹ペーストを使います。
重曹ペーストの基本は、重曹3:水1の割合ですが、場所や用途によって固さを調節して使ってみましょう。
タイルの目地汚れや、茶シブ落しやコップのくもり取りにおすすめです。
【 重曹を使う際の注意点 】
●手袋の着用推奨
重曹は弱アルカリ性なので、素手で触ると肌荒れする可能性があります。
肌が弱い人や、長時間使用する場合は、ゴム手袋などを着用しましょう。
●重曹と相性の良くない素材がある
無垢材や畳、アルミや銅などの金属製品は、変色してしまう可能性があるので使うのは避けましょう。
漆器や大理石などには傷がつくことがあるので使わないようにしてください。
使用する重曹のラベルの記載内容も併せて確認してくださいね。
一気にナチュラルクリーニングに変えなくても、
できそうな所、できそうな方法から、気軽に始めてみましょう。

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